歯の寿命をのばす会

歯周病の治療について


歯周病の治療について

「歯周病」と言う言葉を聞いたことがあると思います。
ところで、その「歯周病」がどういった病気かは知っていますか?

ほとんどの人は、
「歯ぐきが腫れたり、歯磨きをした時に出血したりするのが歯周病なのでは…」
と思っています。

少し前まで、歯周病は歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれていたので
歯ぐきから膿が出る病気だと思っている方も多いです。

もちろん、歯ぐきから出血したり、歯ぐきが腫れたり、膿が出ることもあります。
ただ、これらは歯周病の症状の一つにすぎません。

では、「歯周病」がどんな病気かというと、
簡単にいえば歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。

歯周病の初期は歯ぐきが腫れているだけなのですが、
その状態が長く続くと徐々に骨を溶かすのです。

「骨?」とビックリされる方もいらっしゃいますが実は歯ぐきのすぐ下には、
歯を支えている顎の骨があります。

学校の理科室にあった人体模型の頭蓋骨をイメージしてもらえると分かると思いますが、
人の歯は、顎の骨に歯が刺さっている状態です。

その歯を支えている大事な骨が溶けてしまい、
歯がグラグラになってしまうのが「歯周病」なのです。

骨という支えが無くなれば、歯がグラグラして硬い物は噛めず痛みも出ます。
そして驚くことに、歯を失う原因の約半分は歯周病なんです。

では、どうして歯周病になるのでしょうか?
歯周病の原因は、大きく二つあります。

一番の問題は①の細菌です。

歯周病が進行して、歯の支えである骨が溶けると、
かみ合わせにより、歯にかかる強い力で歯周病の進行が加速します。

ただ、歯周病の原因を知るよりも、もっと知って欲しい事あります。

なぜ私が歯周病のことを知って欲しいかというと
歯周病に対する患者さんの誤解からくる3つの怖い点があるからなのです。

その3つの怖い事を知らなかった為に、歯を失ってしまう患者様をいままで何百人も見てきました。
だからこそ、あなたに歯周病の本当に大切な事、
そして歯周病の怖さを知って欲しいのです。

では、3つの怖い点を例をあげて、説明していきます。

では、どうしたら良いのでしょうか?

では歯周病から歯を守るためには何をすれば良いのでしょうか?

 

自分で歯周病かどうかを気づくのは非常に難しいです。

実際に私が治療してきた患者さんの95%がご自身の歯周病を自覚していないか、
自覚していても、実際の状態と本人の感じている状態とのギャップがあります。

ほとんどの患者さんは、現実の状態よりも、軽く認識していることが多いです。
もし以下の項目に当てはまれば、近いうちに歯周病の検査に行って下さい。

歯周病も、軽度の時に治療すれば問題ありません。
ただ、中等度や重度になると、治療をしてもその後の歯の寿命は短くなってしまいます。
まずは歯周病検査を受ける事がとても重要です。

歯周病になるということは、
少なからず歯ブラシの仕方に問題があることが多いです。

もちろん、あなたも毎日歯ブラシをされていると思います。
ただ歯ブラシですべての汚れが取れているわけではないのです。

歯科医療的に歯ブラシが上手かどうか評価する方法があります。
それは歯ブラシ後に汚れが付いている率が20%以下となっているということです。
逆をいえば、上手な人でも10~20%も汚れが残っていているのです。

20%以下という数字を聞いて、「けっこう磨き残しあるなぁ」と思われたかもしれませんが、
20%以下というのは、すごく少ない数値です。
平均的には30~40%位の汚れの取り残しがある人が多いです。

そして歯ブラシがあまり上手ではない方は
60~70%の汚れの取り残しがあることも珍しくありません。

また歯磨きは、人それぞれクセがあり、
汚れを取り残している場所は、毎回同じ場所なので、そこから歯周病が進行します。
この事から、まずはご自身の歯磨きのスキルを、少し上げることが大切です。

 

検査で歯周病と診断された場合は、しっかりと歯周病の治療を受けて下さい。
歯周病の治療は1回で終わることなく、長いと10回位かかるケースもあります。

途中で飽きてしまうかもしれませんが、
将来のご自身の為にも、しっかり治療をされる事をおすすめします。

治療としては、

などがあります。
状態によって治療の内容は異なるものなので、
すべての治療が必要かは担当医の先生にしっかり聞いて下さい。

歯周病の治療を受けるのは当然、大切ですが、その後は再度悪化しない為に
定期的に歯周病にならないように予防治療を受けることも大切です。

理由は、先ほどお話したように歯周病は生活習慣病であり、
治っても再度歯周病になってしまうからです。

せっかく歯周病の治療をしても数年後にまた悪化して、
それから治療を受けるのでは残っている骨がドンドン溶けてしまいます。
結果として早く歯が抜けることになるのです。

歯周病から歯を守るには、治すだけの治療だけではなく
これ以上、残っている骨を失わない為に定期検診やクリーニングを受けることが大切です。

具体的には、普段の歯磨きでは取り残してしまっている汚れや
歯石をキレイに取り除くことです。

先ほども述べましたが、歯磨きの仕方はクセがあるので、
汚れを同じ場所に取り残してしまいます。

そのままにすると、そこから歯周病が進んでしまうので
汚れや歯石を取り除き、歯周病の進行を食い止めます。

また歯周病の原因である、歯周病菌が3ヶ月、4ヶ月と経過すると
悪性度の高い菌になり、非常に増えてきて進行を助長してしまうのです。

定期検診やクリーニングはまだ日本にはそれほど浸透していないのが現状ですが非常に重要です。
北欧などと比べて80歳の時に残っている歯の本数に、差がある1つの要素がここなのです。

ちなみに歯を失っても、正直死ぬわけではありません。

現代は軟らかい食品もたくさん売っていますので、
生きるための栄養を摂ることは可能です。

ただ、考えて欲しいことが1つあります。
「生活の質は、歯がある時と同じでしょうか?」

食事の楽しみはどうですか。見た目などの美的な問題はどうですか。
口臭などの臭いの問題はどうですか。全身の健康への影響はどうですか。

挙げだしたらキリがありません。
誰でも最初はすべての歯があります。
そしてそれが40歳過ぎまで同じだから、このままずっとあると錯覚しやすいのです。
歯を当たり前の物だと捉えてしまうのです。

しかし現実は違います。

誰しも、「この歯はもう長く残せない」と知った時に、歯の大切さを感じます。
しかし、そのような状態になってからの治療では出来ることは限られています。
実際に多くの患者さんが歯周病の進行が酷くなると、とても悩まれます。

だからこそ、歯周病が酷くなる前にこそ歯の大切さを知ってもらい、
歯の寿命をのばす事に取り組んで欲しいと思っています。
歯を失うことで悩む人が少なくなるのが、私の一番の願いです。

でも、心配しないでください。このホームページの内容をしっかり読んで、
行動していただければ歯の寿命をのばすことは十分に可能です。

ぜひ、今ある歯を永く残すために行動してみてください。

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