歯の寿命をのばす会

歯の寿命を知っていますか?


歯の寿命を知っていますか?

実は日本人の歯の状態は、
厚生労働省が行う大規模な調査で年齢別に結果が出ています。

自分の歯が80歳の時に何本残っているのか考えたことはあるでしょうか?
ほとんどの方が「考えたこともないし、分からない」という答えなのではないでしょうか。

当然ですが歯を多く失えば入れ歯をする日がきます。
そして入れ歯では、もともとの歯と全く同じように噛むことは出来ないです。

その理由は、もともとの歯に比べて、入れ歯では噛む力が3分の1程度しかないからです。
もちろん歯を失えば食事だけの問題ではなく、

など、多くの悩みも生まれます。

ぜひ知って欲しいのは、
「今ある歯がずっとあるとは限らない」ということです。

なぜなら国の統計調査で、日本人の歯の厳しい現状が発表されているからです。
もしあなたがご自身の歯を残したいと思うのであれば、やることが1つあります。

それはただ歯の治療を受けるだけではなく、
正しい歯の知識を手に入れる事です。
今から、各種統計データを元に
ここでしか学ぶことができない歯の真実について一緒に勉強しましょう。

そもそも歯は何本あるのか知っていますか。
20本?30本?40本?
歯の本数は32本あります。この数から親知らずを抜くと28本です。

では80歳の時に日本人の歯はどのくらいあると思いますか?
なんと15本です。すでに半分の歯が無くなっている状態です。

こちらが80歳の時の状態です。

なんだか半分以上失っている感じがしませんか?

そうなんです。半分の歯を失うといっても
上下左右で均等に失うのではなく、奥歯のほうが早く失われ、
虫歯や歯周病になりにくい下の前歯ばかりが残るのです。

80歳の時にこのような歯になることを想像できますか?想像できませんか?
私は、いろんな患者さんにこの事実をお伝えしてきましたが、
年齢が若ければ若いほど、
『信じられない』『イメージつかない』『本当ですか?!』
と想像できないという人がほとんどです。

でも、あなたがこの事実を受け入れるか受け入れないかは関係なく、
平均的にはこの結果となります。以下に年齢別の歯の状態のイメージを記載します。

これが平均的な日本人の歯の状態です。
実は将来的に多くの歯を失うイメージできないポイントがこのイラストにあるのです。

どこだか分かりますか?
そのポイントは“40歳まではほとんど歯を失っていない”という事です。
40歳位までは歯をほとんど失っていないので、
50歳ぐらいまでの方は歯はそんなに無くならないという認識なのです。
そのように思うのは当然だと思います。

ただ問題はここからなのです。失う本数は加速的に増してきます。

10~30歳では歯を失ってないのに、
40歳では1本、50歳では2本、60歳では5本、70歳では9本、80歳では13本の歯を失っています。
歯が失われるのがどんどん加速するのです。

つまり自分自身で「歯ってどんどん抜けてしまうんだ!」と
実感する頃にはかなり状態が悪くなっています。

では、歯を失っていくと実感して、不安な感じがするのはいつなのでしょうか?
『歯が初めて抜けた時じゃないですか?』
と思われるかもしれないですがそうではないのです。

私が何千人もの患者さんと話してきて分かった事があります。
ほとんどの人は、歯が何本か抜けて、
治療方法が入れ歯もしくはインプラントの選択だけになった時です。

1本歯が抜けたときは、多くのケースはブリッジという治療で治していくので、
意外と危機感を感じにくいのです。
※ブリッジ:抜けた歯の両隣の歯を削ってつなげたかぶせ物

それよりもブリッジでの治療が出来なくなり、入れ歯かインプラントという
選択肢だけの時に歯を失った問題に直面して悩まれる方が多いのです。

歯を失うのはもちろん誰でも嫌なのだと思いますが、
入れ歯をする必要がある時に一番悩まれる方が多いのです。
それぐらい、毎日入れ歯をする生活にネガティブなイメージがあり、
生活での不便さなどを心配されているのだと思います。

では具体的にブリッジ治療ができずに、入れ歯が必要になるのは何歳ぐらいなのでしょうか?
平均すると55歳前後が多いです。

ところで歯がある人からしたら、
歯って普通にある物でそれほど大切さを感じないかもしれません。
健康でいるのは幸せなことだけど、毎日健康でいることに感謝をしている人が少ないように。

私自身も昔はそのような感じでした。
ただある時に患者さん気付かされたことがあるのです。

〜患者さんの言葉で気づかされたこと〜

私が歯科医師になりたての頃の話です。

私が、歯の寿命をのばす会をつくった一番の源流となる経験です。
私は歯科医師になってから、大学病院の高齢者歯科に在籍して治療をしていました。
また介護施設に行って、治療もしていました。

なぜそのような道を選んだかというと、
教科書や大学講義では知ることのできない
「歯医者の本質」と、「歯の本当の役割」を知りたかったからです。

実際、多くの方が歯についての悩みを抱えていらっしゃいました。
みなさん、歯の治療を受けに片道1、2時間かけて大学まで治療に通われているのです。
歯医者になって2年目の時に、患者さんに何気なくこう尋ねました。

“わざわざ片道2時間もかけて通うのは大変ではないですか?”

私としては、特に深い意味もなく質問したのですが、
その患者さんに言われた言葉が今でもずっと心に残っています。

この方に出会って、
『自分の歯があって、不自由なく好きな物を食べるという当たり前の事が、
人生においてとても重要な事なんだ』と教えていただきました。

そして、その想いと同時に「日本は世界的に生活水準も高いし、
国民がみんな保険で治療を受けられる国なのに、
どうしてこんなに歯で悩んでいる人が多いのだろう?」という疑問を持ちました。
この方との話が、すべてのきっかけでした。

日本は長寿の国です。
平均寿命が現在、男性81才・女性87才です。

ちなみに現在65歳の女性の方は平均で90歳まで生きるのです。
人生100年時代といわれており、まだまだ寿命がのびていくと思います。
このように医療や生活環境の進歩により、
長生きできるようになってきています。

歯の寿命はどうでしょうか?
想像してみてください…あなたの歯の10年後、20年後を。
今のままでは人生の寿命に、歯の寿命がまったく追いついていません。

そもそも歯を失うと、具体的にどんな問題が起こるのでしょうか?
もちろん食事がしにくくなるという事は想像できるかもしれません。

ただ、それ以外にも歯と一緒に失われるものがたくさんあるのです。

歯と一緒に失われるものとは?

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