歯の寿命をのばす会

歯と一緒に失われるものとは?


歯と一緒に失われるものとは?

もちろん、それが大きなウェイトを占めているとは思います。
ただ、それ以外にも歯と一緒に失うものはたくさんあるのです。
失ってから初めて気付くのではなく、事前に知っておきたいですよね。

総医療費が増えて家計の負担が大きくなる…
そんな事実もありますが、まずは想像出来るところから少しずつお話ししていきます。

まずは、歯を失って思いつくのは先ほどもお話ししたように食事がしづらくなるという事です。
では、次に多くの人が悩むのは何でしょうか?

ある程度は察しがつくと思いますが、やはり見た目のことで悩む方が多いです。

その他にも見た目の影響はいろいろありますが、
歯を見せて笑う事が出来なくなり手で口元を隠すクセがついたり、
入れ歯を外すのが嫌で友達との旅行などもめっきり減ってしまったりする方もいらっしゃいます。

歯が抜けたときに食事がしにくいのと同じぐらい悩まれる部分だったりします。
女性はもちろんですが、男性の方でもすごく悩まれます。

では歯を失うことで、他にはどんな影響があるのでしょうか?

歯を失うと食事がしづらいということがあります。
ただ問題は食事がしづらいだけでは終わらないのです。
少し考えてみましょう。

ご自身の奥歯を半分失ってしまったとします。
奥歯が半分以下となって、今までと同じように何でも食べられるのでしょうか?

何となく、食べ物によって違いがある感じがしますよね。
硬い物や噛み切りにくい物など。

逆に軟らかい物の方が無意識に食べてしまいそうですよね。そうなんです。
食べ物が食べにくくなる事により食べる物が変わって、
タンパク質・脂質・糖質・ビタミンなどの栄養バランスが崩れるのです。

具体的にどういう変化が起きるかというと、
ほぼ全ての栄養素の摂取量が減るという事です。

ただ、摂取量が大きく増える栄養素があるのです!なんだと思いますか?
それは糖質(炭水化物)です。なぜ、糖質の摂取量が増えるのでしょうか?

理由は、糖質は軟らかい物が多いからです。
歯が減ったことにより、無意識に軟らかい物を食べる食生活になるのです。

実際に歯の本数が減ると、噛む力や噛み合う面積が減っていきます。
それに伴い、今まで普通に食べていた物が食べにくくなるのです。

もしあなたの歯が5本・10本・15本とどんどん歯が無くなったことを想像してみて下さい。
今と同じような食事が可能でしょうか?
買ったばかりのハサミと、何十年も使い続けて刃こぼれしたハサミは切れ方が違うのと同じです。

ではいろいろな食品を食べるに何本の歯が必要かというと、
やはり最低でも20本の歯が欲しいところです。

糖質の摂取量が増えて他の栄養素は減ってしまうとお伝えしましたが、
食事が偏れば何か影響が起こりますよね。
そう!糖質過多の食事になるとメタボリックシンドロームなど生活習慣病のリスクを助長します。

糖尿病や肥満対策で重要な要素の1つが、
食事をしたとき急激に血糖値が上がるのを防ぐことです。

つまり糖質(炭水化物)を多く食べて急激に血糖値が上がると、
体は血糖値を下げようとして、すい臓からインスリンをたくさん分泌します。
そして、このときに余分な糖質(炭水化物)が体の脂肪として蓄積されてしまうのです。

体脂肪が増えると、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こします。
また知らないうちに血管を傷つけており、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高まるのです。

歯を失うことで少しずつ食生活が変化するのは、
それほど問題を感じないかも知れないですが、健康のリスクを引き起こすのです。

しかも食べる物からの問題だけではなく、
噛む回数も減ることによる認知症のリスクも上がるのです。

調査では歯が20本以上ある人と、
歯を多く失ったのに入れ歯やインプラントもつけていない人とでは、
認知症になるリスクは1.9倍と大きな差があります。

また噛む力が弱いと自分で感じている人でも、
認知症になるリスクが1.5倍もあります。

先ほどお伝えしたように、歯を失うことで健康への影響が多くあります。
でも、もしかしてこんな気持ちもあったりしませんか。

『歯がなくなると健康にも影響が出そうな気はするけど、そんなに問題が起こるのかな?』

とにわかには信じられない方もいるでしょう。
確かに、あまりピンとこないかもしれません。
そこで別の視点から、歯と健康の関係を考えていきましょう。

別の視点からとは何かと言うと、お金です。
どんなお金かというと、医療費として支払うもの、ということです。

歯と医療費、どんな関係があるのでしょうか。
こちらは平成25年に香川県の歯科医師会が行った
歯の健康と医療費に関する実態調査の結果です。

なんと歯の本数が20本以上ある人と0~4本の人では、
年間の医科の医療費が19万円も違うのです。

歯の本数だけではなく、
歯周病の重症度でも医療費の負担が大きく変わります。

これ以外にも歯の状態と医療費の関連性のデータは山ほどあります。
つまり歯の寿命をのばすことは、

効果があると言うことです!

ところで誰でも人生を幸せに生きたいって気持ちがあると思います。
そこで静岡県の歯科医師会がこんな調査をしました。

「80歳の方に今の楽しみはなんですか?」

と質問した結果です。
もちろんこれも歯の本数と関連させた調査です。
対象の方は、80歳で20本以上の歯がある人と19本以下の人で分けました。

結果は、80歳で20本残っている方は、
旅行やスポーツ、友達との話、仕事など
とてもアクティブに活動されている割合が多いのです。
孫の相手などにも影響があります。

一方、80歳で19本以下の方は家でテレビを見る方の割合が多く、
外での関わりが少ない傾向にあります。

このように歯がなくなることは人生に深く関わりがあるのです。

ここまで歯がある事による影響が大きいと
誰でも歯を長く残したいと思うのではないでしょうか。

ただ実際に歯の寿命をのばす事は可能なのでしょうか?
80歳の時に、半分の歯を失うという現実は、老化であり仕方がない事なのでしょうか。
それを探っていきたいと思います。

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