歯の寿命をのばす会

じぶんでできる新型コロナ対策(歯科編)

新型コロナウイルスの感染を心配されている人が多くいると思います。

ただ、今のところ新型コロナウイルスに特化した予防データはありません。

今回はインフルエンザウイルスでのデータをもとにお伝えします。

 


1.歯垢の除去でウイルス感染を減らそう

破壊された粘膜からウイルスが入る?

口の中の歯垢に含まれる細菌がプロテアーゼという酵素を出します。
この酵素が粘膜のタンパク質を破壊してしまうのです。
当然、破壊された部分からはウイルスが簡単に侵入しやすくなります。

歯のケアでウイルスの予防効果その1

★インフルエンザの学級閉鎖が約半分に

東京都杉並区の2つの小学校に洗面台を増設して歯磨きの促進活動をした実験があります。
その結果、インフルエンザによる学級閉鎖率が、歯磨き促進活動をしていない他の41校の約半分でした。

歯のケアでウイルスの予防効果その2

★高齢者のインフルエンザ発症率が10分の1に

専門家が介護施設の高齢者の口のケアを週1回実施したグループと、ケアをしなかったグループに分けました。
なんと半年後の調査で口のケアをしているグループのほうがインフルエンザの発症率が約1/10になったのです。

 

2.歯周病菌を減らしてウイルス感染リスクを減らそう

歯周病菌でインフルエンザが拡大!?

実は、歯周病菌は体内にインフルエンザウイルスが入るのを手助けしています。
インフルエンザウイルスは体内に侵入するために粘膜を破壊する必要があります。そしてその際に酵素を出します。

歯周病菌は、この酵素を活発化させてしまうのです。
研究データによると、インフルエンザだけの感染よりもインフルエンザ+歯周病菌のほうが感染は早くなることが分かっています。

歯周病菌は、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊の中にいます。
朝起きた時に歯がヌメヌメするのは細菌が増殖しているからです。

当然、歯ブラシは重要なのですが、それだけだと汚れの60%しか除去できません。
毎日約40%の磨き残しが残ってしまうので、
フロスや歯間ブラシを使ってきれいにしたり、歯科医院で磨き残しや歯石を除去しましょう。

 

3.息の吸い方でウイルス感染を減らそう

鼻呼吸のメリット

ウイルスは、電車やお店、エレベーター等、どこにでもいる可能性があります。
しかし、空間に浮遊しているウイルスをすべて死滅することはできません。

自らできて効果が期待できるのは、「息の吸い方」です。
口での呼吸を止めて、鼻での呼吸をしてみましょう。

★フィルター作用

鼻毛でホコリなどをカットして、いっしょにくっついているウイルスをブロックします。
鼻の粘膜から出る分泌液によって、ウイルスを絡め取ります。

★加湿&加温作用

空気が鼻を通ると加湿され、
のどのほうに行くときには、温度も上昇して体温ぐらいになります。

ウイルスによっては、加湿と加温で生存する力が弱ります。
口呼吸だとこれらの効果が失われ、ウイルスに感染する確率が増えます。

 

4.ウイルスと戦う免疫の正体とは

免疫細胞はどこにいる?

免疫とは体内に侵入したウイルスや細菌と戦う防御システムのことをいいます。
そして実際にウイルスと戦うのが免疫細胞です。

ところでこの免疫細胞はどこにいると思いますか?

実は、7割が腸にいます。

つまり免疫を高めるには、より良い腸内環境にすることが大切なのです。
また、免疫細胞は腸から血液にのって体中をめぐり、ウイルスなどの外敵から私たちを守ってくれるのです。

どうすれば腸内環境が良くなる?

人間の腸には1,000種類以上、100兆個の細菌がいます。
この腸内細菌バランスが悪くなると免疫にも影響してきます。

重要なポイントは、「発酵食品を摂る」「食物繊維を摂る」「適度な運動をする」ということです。

 


 

新型コロナウイルスはもとより、
風邪やインフルエンザにもならないことが大切ですね。

こんな時だからこそ、
いつも以上にお口の健康に注意して感染を予防しましょう。